長編
□願うならば……24
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シャルティエの物理強化が終了し、次は、いよいよリオンとシャルティエ2人の最終試練だった。
『坊ちゃん、体の方は大丈夫ですか?』
「ああ、何とかなるだろう」
今までずっと一緒だったシャルティエには、それが嘘だということが分かった。
『坊ちゃん、これは一度きりです。失敗すれば、二度と目覚めることはありません』
「僕は、一度死んだ身だ。それに、僕は1人じゃない。フィンレイ様やジューダス、それに…………シャル、お前がいる」
『坊ちゃん!!分かりました。僕も覚悟を決めました』
「準備は出来たか?」
「ああ」
リオンが装置の中に入る。
「リオン、思うようにしてきなさい」
「僕が助けた命だ。これ以上、失うことはない。それに、リオンの力は認めている。大丈夫だ」
リオンは今にも泣きそうな表情をしたが、首を振って強い眼差しを2人に向けた。
「始めてくれ」
ジューダスがスイッチを押すと、装置の中が光で包まれた。
「あんな体で大丈夫だろうか?」
「心配ないさ。相手は、シャルティエだ。リオン達の覚悟さえ見えたら、問題ない」
それでも、不安は拭いきれないジューダス。
(ここだけは、僕の力は貸してやれない。リオン、お前の覚悟を見せてくれ……)
ジューダスは祈るように、リオンの返りを待つのであった。
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