長編
□願うならば……17
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スタンたちを逃がすために残り、リフトのレバーを下げるリオン。
リフトが上がりだす。
「リオン、リオーン!」
スタンが必死に叫ぶも、為す術はない。
スタンたちが見えなくなった頃、リオンはシャルティエを抜いた。
「付き合わせてすまないな、シャル」
「僕のマスターは坊っちゃんです」
「……まだ、付き合って貰うぞ、リオンにシャル」
「『…………っ?!」』
振り返るとそこにはジューダスがいた。
「なっ、何で……」
「話しは後だ!今はここから逃げるぞ!」
気が付けば海水がなだれ込み、天井も崩れかけている。
「シャルティエを鞘に収めろ!」
言われた通りに鞘に収める。
すると、ジューダスはリオンの腕を取り来た道を走り始めた。
「離せ!貴様も死ぬきか?!」
「死ぬつもりはないし、リオンを死なせるつもりもない!!」
「…………っ?!」
「………っち」
走るも海水が流れ込んでくるスピードが速く、足場が無くなっていく。
出来るだけ、岩が突出したとこや海面がまだ浅い所を走っていく。
そして、一時的にでしかないが、水流が弱くまだほとんど海水が流れ込んでいない場所があった。
そこに入ろうと差し掛かった時だった。
「………なっ?!」
リオンがジューダスの手を無理矢理振りほどいたのだった。
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