短編
□お返しは倍返し?
1ページ/15ページ
バレンタインデーと違って、逆にこの学園内は静寂そのものである。
それは普段以上に静寂とも言える。
怖いくらいに静寂である。
あの双子が登校するたびに群がってくる生徒たちが、この日だけは群がることをしない。
そのことは彼らにとって平穏な学園ライフを送れるということなのだが………
当事者たちはというと………
「ジューダス、この視線の痛さは何だ?」
「僕にも分からん。去年は、こんなことが無かったはず……ι」
「これはこれで辛いものが」
「リオンもそう思うか?これならまだ今まで通りの方がマシな気がするのだが…」
と、普段以上に生きた心地がしないのであった。
そんな二人のもとに笑顔で近づいてくる、二人の女子生徒。
一人は聖女オーラを放出中のリアラ。
もう一人は、お金のことにしか頭がいっていないルーティ。
彼女らに不穏な空気を感じ取り、その場から逃げようとした双子。
だが……
「……ジュ、ジューダス」
「どうし……っι」
二人が背後を顧みると、目の色を変えた生徒たち及び教師たちがいた。
「逃げようたってそうわいかないわよ〜」
「そうよ、ジューダス。今日という今日は覚悟してもらうわよ!」
『うっ…………ぎゃああああああっ!!』
悲しいかな双子の悲鳴が校庭に響いたのだった。
.