長編2
□4章
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あれから自分の寮部屋に戻ったリオンだったが、部屋に居るはずの彼がおらず、部屋は蛻の殻状態だった。
「シャル………?」
彼の部屋へと入るも、やはり姿はない。
今日は彼に迷惑をかけっぱなしだと、反省する。
彼が戻って来るまで、彼の部屋で待つことを決めた。
ふと備え付けの机を見ると、日頃整理されている机からは想像がつかないぐらい、乱雑に資料が散りばめられていた。
その内一枚を手にとった。
そこに書かれていたのは、知らない出来事なのに、知っている人物の名があった。
その中には、彼の名も含まれている。
「………何だ、これは……こんなの、知らない……」
字の羅列を目で追うも、今のリオンには覚えのない事ばかりだった。
いくつかの資料を見ていくも、同じ人の名前なのに、出来事は違っていた。
そして、一番古いと思われる資料があり、それを読んでいく。
そこには、リオンやスタン、シャルティエ、その他見知った名前があった。
「リオン・マグナス………若干16歳にして、王国客員剣士を務める。ソーディアン・シャルティエのマスター」
リオンが読んでいる資料の続きには、スタンのことやウッドロウのことも大まかに記されていた。
「偶然にしては………いや、でも……そんなことは………これは?」
資料が折り重なっている中、一枚だけ破かれている資料を見つけた。
その資料の半分以上が、故意に破り取られていた。
「ここには一体………っぁ?!」
途端に走馬灯の様に、夢と同じ映像が次々に脳裏に移しだされていく。
それと同時に激しい頭痛を伴い、リオンは立ってはいられなかった。
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