短編

□兄の苦難
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「リオン君、これ受け取って!」
「私が先よ!」
「もう〜押さないでよ!!」


「おい、リオン!これ食べろよ!」
「女子どもあっちに行けよ!!」
「リオン今日も可愛いな!!」


ありとあらゆる生徒に囲まれ、身動きがとれないリオン。


男子も女子も我先にとリオンに向かう。


次第エスカレートしていき・・・


「…………ひゃっ?!」


いきなりお尻を撫でられたリオンは、思わず声を上げてしまった。


そんな声を聞き逃すはずもなく、周りの生徒の動きが止まる。


そして、良くリオンを見てみると・・・



もみくちゃにされたおかげで服装は乱れ、軽くうなじと鎖骨が見えている。さらに、いきなりのセクハラに驚き声を上げてしまったことに羞恥を感じ、頬を朱に染め、傍から見れば襲われたように見える。

それに相まって色気を放出中。


皆の視線がそこに集中しまくる。


その視線に耐えれなくなり、さらに頬を染める。


『(可愛いv)』

皆一様にそう思うのだった。


そんな中、一人不機嫌オーラを放ち始めたジューダス。


「……………おい」

その怒りを含む声音が生徒たちに届いたのか、皆の顔がみるみる内に青ざめていく。


「貴様ら、僕のものに手を出すとはいい度胸だな」


「………ジューダス、助かった」


ジューダスの登場に安堵したリオンは、思わずジューダスに微笑んだ。


「…………」
『…………』

「どうした?」

首を傾げるリオン。


それを気に理性という砦が崩壊したのか、生徒たちの中に鼻血を吹いて倒れるものや、失神してしまう者が続出した。



当のジューダスも限界だったのか、リオンの手を勢いよくとり、校舎内に引きずっていったのだった。

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