短編
□独白集
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〜リオン〜
波の音が絶え間なく聴こえる
僕はもうすぐ死ぬのか………
だが、死ぬのは怖くない
後悔もしていない
彼女は生きていて、彼らに彼女を託せた
それにあいつに逢えて………
素直に言えなかったけど、僕はお前に出会えて本当に良かった
“友”と呼んでくれた…………
それだけで救われた………気がする
僕は同じ道を選ぶと言ったが…………
それは彼女とお前がいる道だ
勿論、シャルもいて………
今までは、シャルとの時間以外が窮屈で苦しくてたまらなかった
でも、彼……いや彼らと逢えて世界が変わった
本当にありがとう
僕がここまで頑張れたのもシャルがいたからこそだ
二人で一つ
初めての友で心の寄りどころ
だから、別れの言葉は言わないぞシャル
今度は、共に人としてめぐり逢いたい
その日までまたな
スタン、シャルティエ
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