短編
□リオ雪姫と7人の小人たち
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あるところに、リオ雪姫というとても美しい王女がいました。
リオ雪姫「おい!誰が王女だ!僕はれっきとした男だ!」
天の声「え〜、王女でも変わんないけど?」
リオ雪姫「貴様、殺されたいか?」
天の声「もう、仕方ないな〜」
やり直し。
あるところに、リオ雪姫という性別は男の子ですがとても美しい王女がいました。
リオ雪姫「おい!」
王女がいました。
リオ雪姫「聞いているのか!」
王女がいました!
リオ雪姫「!?」
???「諦めるんだな」
そんなリオ雪姫には、継母である王妃がいました。
継母は美しく、自身も自分が一番美しいと信じていました。
継母が持つ魔法の鏡も、継母が一番美しいと言っていました。
そして、今日も継母はいつものように魔法の鏡に問うのでした。
継母「鏡よー鏡よー鏡様ー。世界で一番………(棒読み)」
鏡「………?」
継母「洟垂れは誰ですか?」
鏡「え〜と、ちょい待ち!(ペラペラ←紙を捲る音)……ディストって奴だな」
継母「そうですよね。いや〜これでスッキリしましたよ」
こうして何事もなくいつも通りに継母は暮らすのでした。
めでたしめでたし。
鏡「何もめでたくない!それに、始まってもない!!」
継母「意外と細かい人ですね〜」
鏡「いや、おたくのせいだからね!?」
継母「しょうがない人ですね。分かりました。ちゃんとしましょう」
鏡「そうしてくれるとおっさんも助かるわ〜……ねぇねぇ、それよりこの配役虚しくなぁい?」
継母「そうですか?私は充分愉しんでますよ?それに、継母役だなんて、ピッタリじゃないですか(ニッコリ)」
鏡(そうだよ。この人こういう人だよ)
「ていうか〜継母なのにおっさんってどうよ?」
継母「あなたも充分おっさんですよ?」
鏡「おっさんはいいの!姿見えないし」
継母「魔法の鏡ですから、姿もばっちり見えてますよ」
鏡「うっそ!マジ?このおっさんの華麗な姿が?!」
継母「えぇ、それはもう加齢な姿が(ニッコリ)」
鏡(おっさん、この人とやっていける自信がない………(泣))
天の声「そろそろやり直して下さい」
(ここから継母のセリフは全て棒読みになります)
継母「鏡よ、鏡よ、鏡様。世界で一番美しいのは誰ですか?」
鏡「リオ雪姫!」
継母「それでは、一番可愛らしいのは?」
鏡「リオ雪姫!おっさん、抱きつきた〜い」
継母「一番ツンデレなのは?」
鏡「リオ雪姫!あのツンとデレの割合がいいよね!」
継母「一番甘党なのは?」
鏡「リオ雪姫!隠そうとして隠せてないのが可愛いv」
継母「一番プリン好きは?」
鏡「リオ雪姫!食べてる時の顔、最高!!」
継母「では、洟垂れなのは?」
鏡「もちろん、リオ雪ひ………っ!?……!!(ブルブル)」
継母「そうですか〜(ニヤリ)」
鏡「待って!ちょっと待って!」
継母は自分より美しいリオ雪姫が許せませんでした。
継母「困りましたね〜私が一番ではないとは……これはもう、殺すしかないですね」
継母は考えました。
邪魔で仕方が無いリオ雪姫を殺そうと計画を立てます。
ですが、ブウサギが大好きな国王に見つかってしまうのはマズイです。
そこで胡散臭い傭兵を雇いました。
鏡(おっさんのこと無視?!)
継母「貴方に依頼します。リオ雪姫を森に連れて行き殺って来なさい?」
傭兵「ヤるだけでいいのか?」
継母「えぇ。その証として、肝臓を持って帰ってきて下さい」
傭兵「(肝臓?)……了解。報酬はきっちりと払ってくれよ」
若干のニュアンスの違いをさして気にすることもなく、継母は傭兵に命じたのでした。