長編

□願うならば……28
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シャルティエの話を聞き終えたジューダスは、複雑だった。


リアラが自分には内緒で、シャルティエを巻き込んでいたからだ。


だがシャルティエが自分と同じ記憶を持っているということに関しては、嬉しかった。


それを早くに知っていればどんなに良かったことだろうとさえ考えてしまう程に。



『本当に、すみません』


「謝るな。シャルは悪くない。それで、その答えとやらは見つかったのか?」


『はい!それはもちろん!!誤算なく』


その声は、子供が親に褒められたかのようだった。


「その答えとやらは何だ?」


『ふふふ、秘密です!』


「最後ぐらい教えてくれてもいいだろう?」


『ダメです。坊ちゃんは最後の最後まで気が抜けないので、何されるか分かりませんもの。それに、これは僕の盛大な最初で最後の我儘なんです。黙って、聞いてくれませんか?』


「盛大な我儘、か。シャルにしては、生意気だ。だが、それも悪くないだろう」


ジューダスが承諾してくれたことに、シャルティエは嬉しかった。


『長々と話に付き合わせてしまってすみませんでした。もう、坊ちゃんに時間がないようですね』


ジューダスの足の半分は消え、そこから光が溢れだしていた。


「こんな消え方も懐かしく思えるな。………シャル、お別れを言うのも2回目だな。本当にありがとう」


『こちらこそ、楽しかったですよ。どのソーディアンよりも一番充実していたと思います!お元気で』


「不思議なことを言う奴だな。そうだな、シャルも元気でな」


その会話が最期に、ジューダスの体が光に包まれ弾け飛んだ。


それはジューダスが消滅した合図でもあった。


ジューダスが消え、神の目の力が戻った。


それを確認したソーディアンたちは、外郭大地ごと神の目を破壊した。












坊ちゃん。






僕の最後の願い聞いて下さい。






ずっと、ずっと隠してきた願いです。






叶うことのない願いが、今、やっと叶うんです。




だから、最期の我儘ぐらいいいですよね。











聞いて下さい、坊ちゃん。










僕の願い













──────それは
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