学園モノ
□後
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時を経て、今は墓場の上部まで来ていた。
「な、なあ久保ちゃん。」
「?なぁに?時任」
「さっきはなんか聞けなかったけど、悟空は誰が
『何もしない』って…」
「ん〜。墓場<ここ>の住民さん?」
「なっ?!それって…」
幽霊じゃねぇか、と時任が言おうとした時だった。
悟空が墓場を抜けたことを告げた。
目の前には少し開けた場所が広がっている。真ん中に石碑のような大石がある。
皆、緊張していたのだろう。それぞれ座り込んだりと体を休ませていた。
悟空は墓場の方に手を振っている。
その僅かな休憩時間もすぐに終わりを迎える。
何者かがあの大石の上に降り立った。
空気がざわつく。
今までとは打って変わってびりびりとした空気が一気に彼らを包んだ。
「貴様ら…
何故、貞光の忠告を無駄にした?」
前方からの低く、唸るような声に皆、一様に体を震わした。
いや、声だけではない。
彼らの前に現れた恐ろしい声の主は狼の姿をした男だったのだ。
妙が絞り出したような声で化け物とつぶやく。
その言葉に反応を示す男。
「゙化け物"か…
たしかにな…」
「違うな」
自嘲を含んだ発言をした男に否定を示したのは三蔵だった。
「違うな。あんたは人間だ
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