テイルズ

□バラードの恋人
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本当は知っていた。

小さいころから違和も感じていたし、弟<アイツ>との扱いの違いも不快だった。

それに対する一つの決意をしたのは十歳の頃。
俺が女だって証が訪れた時だ。

そして今、俺の計画は仕上げの段階に入っていた。

生まれて初めての出国。
師匠が俺と弟<アイツ>をつれていくと言う。

理由は、王位継承に関わるもの。
そうなるよう、俺は七年やってきたからな。




それじゃあ、目標達成のために頑張りますか!!


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僕がラザリスと出会って、魔物になった暁の従者を元の姿に戻したことが船内に広まったときだった。彼女が来たのは。

カノンノの描いた絵を見せてもらっていたら、アンジュさんに呼ばれた。ホールに行くと、ジェイドもいたんだ。

「いやぁ、助かります。彼らの様な荷物を受け入れてくださって」
「あら、部屋代はきっちり頂きますよ?」
「あの、新しいメンバーが来るんですか?」
「あぁ、バラッドには話していなかったね。実はジェイドの国の方がね」

あなたも挨拶に行きましょ?とアンジュさんはにっこり笑った。
つまり、拒否権は無いと。
でも何故、僕も挨拶しに行かなくちゃいけないんだろう。

そして流されるまま部屋に行くと、ヴァンという男性と、顔のよく似た男の子が二人いた。
いや、二人の男の子ではない。

「男装してる…?」

勘だけど、たぶん片方は女の子だ。
じーっと見ていたのに気付いたのかその子は僕を睨んできた。

「何だよ…」
「いや、なんでも…ない」

なくはないが、たぶん隠しているのだろうから、二人きりになったときにでも聞こう。
それが僕達の顔合わせだった。


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