テイルズ

□麦わら帽子と光陰
3ページ/16ページ


「「ぎゃあああああああああ!!!!」」

悲鳴を上げたのはウソップとチョッパー。
他のメンバーに比べて、ハプニングに弱いのだ。
そんな二人と、興味津々な目で謎の青年たちを見ている船長を放って、剣を持っている青年たちを警戒し、拘束する他メンバーだった。




+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-


フレンが目を覚ました時、目の前にいたのは愛しい恋人ではなく、麦わら帽子の少年だった。
少年は自分を見ると部屋をでていってしまった。
外から聞こえる声からすると、仲間を呼びに行ったようだ。
ふと、左肩に重みを感じ、そちらを見ると、そこには自分と同じように拘束された恋人の姿。

「ユーリ!起きてユーリ!」
「…んぅ?ふ…れん…?」

寝ぼけてるのも可愛い…じゃなくて!
弛みそうな顔を引き締める。

「あれ?ここどこ?」
「わからない…多分、船の上だろうけど…」
「は!?帝都は海から遠いよな?」
今まで帝都にいた自分たちが何故、海上の船の中にいるのか。
武器を取り上げられ、しっかりと拘束されているのか。

「訳わかんねぇ…」

はぁあ、と深く溜め息をつき、ぐったりとフレンに寄りかかる。

「…やっぱ俺、なんか憑いてんのか?」

そう呟くユーリに苦笑するフレン。
二人に焦りや不安は無いように見える。
それは二人が一緒だからだろう。
なんとかなる。
そんな自信が二人にはあった。

だからだろう。部屋の扉が開かれようと、動じることは無かった。



――大丈夫。二人ならなんとか出来る…


+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-


「あいつ、起きたぞ!!」

ルフィの声を聞いて、船員たちは先ほどの二人を拘束した部屋へ向かった。

中に入ると金髪の青年がその蒼眼を此方に向けた。
ナミが問う。

「あなたたちは何者?」
「…それより、ここは何処であなたたちは何者かを聞きたいのですが」

そう答えた金髪の青年に寄りかかっていた、黒髪の青年が顔をあげた。

「俺たち…いや、こいつを知らないってことは反騎士団の奴らじゃねぇな」
「騎士団?」

訝る様子を見せる麦わら一味。

「この船はサウザントサニー号」
俺の自信作だ!と胸をはるフランキー。それを叩いてウソップが叫ぶ。

「バカかぁ!敵かも知れねぇやつに何おしえてんじゃあ!!」

大音量に青年たちが顔をしかる。ルフィとチョッパーが詰め寄る。

「なぁなぁ!お前ぇら人間なのか?」
「お前ぇら来たとき、光って風が吹いたんだ!!」

今度はいきなり人間かなんて聞かれて、ポカーンだ。

「あの、もう一度聞きますが、ここは何て言う海域ですか?」

金髪の青年がポカーンとしながらも尋ねた。

それにポカーンとしたのは麦わらの一味だった。

そりゃあ、ここは誰しもが知っている、力有るものしか入ることのできない、《偉大なる航路》――



「「「「――グランドライン」」」」



なのだから。

_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ