SHORT
□フレユリ嫌われIF
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バカップルだと…
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入口に姿を現したのは、生徒会長フレン・シーフオその人で、彼は他の誰に目を向けることなく、ユーリの隣に立った。
「ユーリ、どうしたの?」
「ん、その女が…」
「そいつがアリスを切ったんです!そこのカッターで!!」
ユーリの話を切るように話した生徒の指差したカッターを見るフレン。
その眉間に一瞬、深いシワがよったがすぐにいつもの爽やか会長の顔に戻る。そして一言。
「ユーリのじゃない」
は?と疑問符を飛ばす生徒たちを放置し、二人は話す。
「あんなの家に無かったよね」
「ねえよ。落としてラピードが怪我したら嫌だから持ち歩かねぇし」
「だよね」
で、とフレンはアリスたちに冷めた目を向ける。
彼女たちはその視線に我にかえった。
「どうしたのあの子」
「っ。そ、そいつがフラれたからってやったのよ!!」
アリス側の女子生徒が吠える。
違うっつのとユーリが呟いたのはフレンにしか聞こえなかったわけで、フレンはニコリとユーリに笑いかけると生徒たちと向かい合った。
「僕らの話を聞いていたかい?しかもその理由は有り得ない」
フレンはユーリを抱き寄せて言い切った。
「ユーリは僕の恋人だからね」
たっぷり五秒、時間が止まった。
「「えぇぇぇぇええ!?」」
「ったく。無駄なこと言うなよ」
ユーリの遠回しな肯定に気を良くしたフレンはその細腰に後から腕を絡める。
「別に無駄なことではないんじゃないかい?」
「今言わなくたって良いだろ」
「そうかな…。僕は何時だって声を大にして言いたいんだけど」
「はっずかしい奴!」
「褒め言葉として受け取っておくよ」
言葉すら発せられなくなった生徒たちをよそめに、ポンポン弾む二人の会話。
彼らの目には既にお互い以外は誰も映っていない。
「フレン、お前今日の晩飯何がいい?」
「ハンバーグ食べたい」
「う〜ん、こないだのドライカレーであんまり挽き肉ねぇんだよなぁ…。」
「えっ?」
「ミートボールならいけるかも」
「本当?やった!」
終いには、まるで新婚夫婦のような会話まで飛び出す。
愛溢れるその会話は、構成員が全員、独り身であるアリス親衛隊に大きな傷を負わせたと言う。
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