SHORT

□フレユリ嫌われIF
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普通の二人だと…

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表れたのは誰から見ても輝いて見える学校の一等星、フレン・シーフォだった。

「会長!実は…」

彼に事の次第をまるで己の目で見たかのように話す、アリスの側の女子生徒。
フレンは話しを聞いて、少し考えた後、アリスに真偽を問う。
頷いたアリスにフレンはもう一つ訊ねた。

「君は右利きかい?」
「え…あ、はい」

肯定したアリスに微笑み、フレンはユーリと向かい合った。
彼と付き合いの殆どない、アリスたちは微笑みに自分たちを信じたのだと思った。
だが、ユーリはその笑みは真実に辿り着いたのだと確信していた。そしてフレンは言った。

「それで、本当は?ユーリ」
「俺がコクられて、断ったらこうなった。そいつ、自分できってたぜ?そのカッターで」
「だと思った」

驚いたのは周りの生徒で、一様に声を荒らげた。
何故、そんなやつを信じるのかと。
アリスがそんなことするわけないと。
悪いのはユーリだと。

それらの言葉にフレンの顔から笑みが消え、瞳は温もりを失った。

「君たちはユーリの何を知ってる?」
「?」

生徒たちはいきなり雰囲気の変わったフレンを訝しんだ。
ユーリはと言うと、フレンの地雷(自分のことだと思うとこっ恥ずかしい)を踏んだ彼らに合掌していた。

「君たちと同じように言うと、ユーリがそんなことするわけない」「っ」

言葉に詰まる彼らを冷めた目で見ながらフレンは続ける。

「ユーリはそんな面倒なことしないし、カッターだって持ち歩かない。持ち歩くとしたら、ザギ対策の木刀くらいだ」
「だ、だけど今日だけ持ってたのかも…」

反論してきた生徒を目だけで黙らせる。

「あと、その子の傷が不自然だったからね」
「え?」
「それに人が身を守ろうとして反射的に出すのは利き手、つまりその子の場合、右手だね」
「あ…」
「それにユーリは左利き。それなのに、向かい合ったとき一番遠い左手を切る?」

アリスの顔から血の気が無くなり、周りも困惑しだす。
そんな彼らにとどめの一言をフレンは放った。


「あれ、一緒に見ようか?」


フレンが指差した先でカメラのレンズがキラリとひかった。


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