その他
□FirstKiss?
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敵を薙ぎ倒し、草を掻き分け、とうとうたどり着いた。
あの棺にあかねは眠ってるんだ。
中を覗いてみると、レトロなドレスを着て、白いカチューシャをしたあかねが胸の下で手を組んで眠っていた。
これで、後は俺がキ、キスすればいいんだ。
よ、よおし・・・キスなんて、ここまで来る苦労と比べたら軽いもんだぜ・・・。
い、いくぞっ!
あかねの腕を掴む。
あかねがぎゅっ、と目に力を入れる。
どっどっどっどっどっどっ・・・
心臓が、煩いくらいに鼓動している。
あと、10p・・・5p・・・3p・・・。
・・・で、できねぇ。
だ、だって、その・・・こんな一方的になんて、その、別に嫌いとかじゃなくて、あの・・・!
バッ、とあかねから離れてしゃがみ込み、ぐるぐるした頭で訳のわからないことを考える。
と、そのとき、後ろであかねが立ち上がる気配がした。
「あんたはなんでいつもそうなのよ!」
ズカズカとこっちに来て、俺の襟首を掴む。
「あたしのことすきなんでしょ!?だからここまで来たんでしょ!?だったらキスくらいしてみなさいよっ!!」
あかねがこっちに詰め寄ってくる。
「簡単に言うけどなー、その・・・だったらおめーがしてくれればいーじゃねーか!」
今度は俺があかねに詰め寄る。
「さ、最初くらいあんたからしてよっ!」
「そりゃ、おっ」
「えっ」
俺は石に躓き、あかねを押し倒すようにして転んだ。
「・・・ったいじゃないっ、バカッ!あっ、血が出てる!唇・・・」
あかねは確認するように、唇にやった指先を見ている。
「唇・・・?」
俺も自分の唇に手をやる。
「・・・唇」
「・・・・・・・・・・!」
俺たちは白雪姫のようにはいかないらしい。
島島島島島島島島島島島
私的乱馬とあかねのイメージ。私的過ぎて誰にも伝わらない気がする。