その他

□かわいいひと
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「風呂空いたよー」
「ん・・・」
声の方を振り向くとそこには、バスタオルを体に巻いておさげを解いた風呂上がりのらんまがいた。
「あんたねー、そういう恰好で家の中ウロウロすんじゃないわよ」
なんて言いつつカメラを構えるなびきおねーちゃん。
「・・・それはなんだ、それは」
なびきおねーちゃんをジト目で見るらんま。

あたしはというと・・・。あまりにも刺激的ならんまを直視できずに俯いていた。
「どーしたんだよ、赤い顔して」
きょとんとした表情なんて反則・・・なんて思ってしまうあたしってどうなの・・・。
「なっ、なんでもないわよっ!だ、大体なんでそんな恰好で出てくるのよ!」
なんだか考えてることが見透かされてるような気がして、大きな声を出してしまった。
「しょーがねーだろー、着替え部屋に忘れたんだから」
らんまは頭の後ろで手を組んで行ってしまった。



あたしがこんな不謹慎なことを考えるようになってしまったのは、たぶん一週間前のあの日から。

おじいさんとケンカした乱馬は『呪増幅』とかいうツボを押されてしまったのだ。読んで字の如く呪泉郷の呪いの力は増幅され、乱馬はお湯を被っても男に戻れなくなってしまった。
しかし、東風先生によると、このツボは満月の光を二度浴びれば解けるらしい。ツボを突かれたのがちょうど満月の夜。ということは、乱馬は一ヶ月で自然と元に戻れるという訳だ。



湯舟でお湯に浸かりながら考える。確かに女の乱馬はかわいいし色っぽい。
でも前はらんまの裸を見たってあんな気持ちにはならなかったのに。
男の乱馬を見なくなったから?
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