詞
□現実
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四角いテレビの中で、男と女が向かい合っている。
話す内容は人の書いた戯言ばかり。
「好きだ」
「愛してる」
「一つになろう」
「永遠に」
男のその言葉に女は涙を流しながら頷き、抱き合った。
そこには 愛 何て物は無くて、
ただ、
書かれた台本通りに行動するだけ。
私はこの物語りに吐き気さえ覚えたが、
人間はこのドラマに近いかもしれない。
台本通りに話し、動く操り人形。
人生という名のレール。
毎日起きて、学校行って、勉強して、帰ってきて、ご飯食べて、次の日の準備をし、眠るだけ。
毎日毎日、退屈の繰り返し。
ニュースを見れば、大々的に取り上げられた列車事故。
数日前までは恐いと思っていたものが、今は何とも思わない。
何人もの死者に、重傷者。
オマケに遺族のコメントまでが映された。
その全てが今は鬱陶しい。
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