銀魂小説

□甘党変態
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風邪をひいた。これは完璧に風邪をひいた。
咳は出るしくしゃみもある。熱もあるし体がだるい。


「……情けねぇ。」


俺は一人呟いた。
普段は決して風邪をひかない俺が風邪をひいた。
仕事があるからと外に出ようとすると近藤さんに会った。


『なにっ!?お前が風邪?寝てろお前!!』


と、部屋に戻された。
まぁ休める時に休んでおくか。
他の隊員は仕事に出ていて、屯所には俺以外には誰もいない。

しばらく静かな場所で寝るというのが総悟のせいでなかった。先週なんて布団の中に時限爆弾があった。
だがその総悟は変なアイマスクと共に仕事へ出た。これはマジで有り難い。

だがしかし。


「ひーじかーたくーん。」


その静さも長くは続かなかったらしい。


「……万事屋か。入れよ。」


俺が返事をすると万事屋の坂田銀時が部屋に入ってきた。


「なになに土方くんが風邪をひいたらしいじゃないの。」

「なんでテメェが知ってやがる。」

「ストーカーゴリラが言ってた。」


……あぁ近藤さんか。


「で?何しに来「アイス食うか?」


万事屋はガサガサと袋からアイスを取り出した。


「……いや俺…風邪ひいてるんだけど。」


見舞いならもう少し気が利いたものがあるだろう。フルーツとかヨーグルトとか…。


「あァ?銀さんはいつもアイスで治してんの。」

「それはお前基準だろーが!!」


まぁまぁいいからと万事屋は俺にアイスを差し出した。


「これ美味いんだぞ?明痔製菓のアイス。」


あまりにも万事屋が無邪気に笑うので俺はその笑顔に負けてアイスを受け取った。



万事屋が好きだからと言った方が正しいかもな。


「………寒い。」


アイスは確かに美味い。それも万事屋からと思うと余計に美味い。
だが今の俺にとっては全く欲しくないものだ。しかもさっきからなんだかんだで3個はアイスを食べてる。


「…ホットマヨネーズが飲みてぇ。」


思わず呟いた。


「コレステロール値上がるぞ?」

「おお、今俺は血糖値がかつてない程上がってるよ。」


頭がキンキンする。


「なんだ頭痛か?」

「あぁ。」

「全く、風邪なんてひくからだぞ。」

「99%テメェのアイスのせいだ!!!!」


大声を出すと余計に体に響いた。


「うぁ……だりぃ…。」
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