『そして‥‥』
□第五話。
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ついに彼らが動き出した。
長い間眠っていた忌々しき記憶……
彼に起こる悲劇。
これから起こる……
未来を知るものは誰一人として実在せず。
第五話。
「ああ…ごめん。
待たせたね」
古びた館の広間。
ハヅキは皆にこう言った。
「遅い。
……待ちくたびれたわ」
「ミズキ!!聖の前だぞ」
「いいよ、ハヤテ。
実際遅れてきたわけだし……」
聖……もとい、ハヅキは言い訳せずに言う。
「それと……
皆に言いたい事があるんだ」
そして、
皆を見渡し言った。
「始まるのですね、ついに」
「ああ。
そうだよ、“カエン”」
焔のような赤い髪をした少女は“カエン”と言い、業火のカエンの二つ名があった。
カエンは聖直属の部下であり、その名の通り『火』が扱える。
ほかにも、ハヤテには“風雷”の名が、ミズキには“水星”……そしてチセイにも“地竜”と言う二つ名がある。
彼らはそれぞれ、その名の通り『風』『雷』『水』『地』を扱うことができる。
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