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□【夕闇】(side)
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「ふぅ。今日も1日無事にすんだわね…って、聴いてる?」




「…………」




机の上にあった書類にすべて目を通したあとの、溜め息とともに出た安堵の言葉。




しかし無情にも、時計の秒針が一周してしまった。




(無視って……)




珍しく良いことを言ったと思ったのに、目の前にいる彼女のおかげで気分が台無しになってしまった。




最近(昨日今日に始まった事ではないが、はじめに比べて)真月(マガツ)が言うことをきかない。




暗殺者としての腕は超一流だけれど、性格もまた自他ともに認める“悪鬼”で…。




手元にあった書類を机の隅に置き、私は真月のいるソファーへと腰を下ろした。




対面側に座ると、彼女の顔がよく見える。





彫りの深い顔立ちに、灰銀色の髪。




総てを見透かしそうな瞳は、まるでどこかのアンティークドールを連想させる。



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