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□【夕闇A】
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あなたの何もかもが
狂おしいほど
愛おしい――。
『追憶』
妹と離れて数年
今日も“いつも通り”受付で報酬を受け取る。
金額は500万円…今回のターゲットにしては妥当な額といえるだろう。
「樫凪(かしなぎ)、忘れものよ」
現金をアタッシュケースに詰め終わる頃、受付人の潟城(かたしろ)が私を呼び止めた。
「何でしょう…」
心当たりがなかった。
認証カードはポケットに入っているし、愛用しているマグナムとスコープは懐に感触がある。
そんな私をよそに、潟城は目の前にひとつの包みを置いた。
「プレゼントよ」
「…?」
「妹さん、今日施設から出てくるんでしょう?だからお祝「何故貴女が知っているのです?」
2人のいる一帯の温度が、急激に下がった。
潟城の首には刃渡りの長いベースナイフが突きつけられる。
施設内にいる人物の情報は保守されているはず。
なのに何故―――?