ハーメルンのバイオリン弾き〜真実の絆〜
□第五楽章 事実と真実
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「ケストラーだって?!」
シェルとグレートは同時に声をあげた。
「きさま、何を企んでいるんだ!」
「な、何ですか?」
その男は自分が何を言われているか、わからないと言うように目を丸くしている。
「とぼけるな!その姿、どう見てもケストラーそのものではないか」
「ちょっと待ってよ、どうゆうこと?」
シェルが口を挟んだ。
「関係ない者が口を挟むな!」
「関係なくないよ!この人は、さっき僕を助けてくれた。それに、ここに来る前も・・・」
「何だと・・・?」
クラーリィは顔をいぶかしげてシェルの方を向いた。
「お待ちください、クラーリィ殿。その方はさっき話した者です」
クラーリィはしばらく睨んだ顔をしていたが、ふっと顔をゆるめた。
「まぁいい、少し話しがある。お前とグレート、付いて来い」