School Your Life

□School Your Life
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 朝日が眩しい、鳥のさえずりが程よいメロディーとなって眠りから覚めるを妨げる。その柔らかな空気の中、目を覚ました。
―――やっぱり夢か・・・
と僕は心の中で呟く。
「そうだよな、あんなことがあるわけ・・・」
 そこまで言って言葉に詰まる・
―――思い出した。夢なんかじゃない。
 そうだ、昨日はあの後帰ってきてからすぐに寝てしまったのだ。帰り道のことはあまり覚えていない。確かに彼女と一緒に帰ったが会話の内容まではうる覚えにしか思い出せない。緊張していたのだろう。ただ一つ覚えているとすれば、僕が告白したあの場所、要するに木の下だ。あそこで告白して成功したカップルは永遠に結ばれるという伝説があったようだ。この手の伝説は結構耳にするが実際に間近にあるとは思わなかった。
「兄さん、早くしないと朝ご飯冷めちゃ・・・」
 いきなり、妹がドアを開けて入ってきた。どうやら朝飯ができたらしい。だが、できればノックぐらいして欲しい。というささやかな願いはもう叶わないことは承知している。
「・・・?」
 そこで妹の反応がおかしいことに気付く。一体どうしたのだろう?
「兄さん、どうしてにやついているの?」
妹は君の悪いものを見るような目でこちらを見ている。どうやら僕は一人でにやついていたようだ。それは、まぁ気味が悪いだろう。
「いや、なんでもない。もう少したら行くから」
 顔を引き締めてそう言った。そして、妹が出て行くのを確認して着替えてから、僕は一回へと足を運んだ。
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