Novel

□暫定的仲間2※
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「……」

フィンクスはふすまの前で立ち往生していた。
風呂から上がり、流石にもう事は終わっているだろうと思っていたのだが、甘かった…

室内からは先程から、子供のかん高い悲鳴が漏れてくる。

「あ、あいつら…まったく…」
深く溜め息をつくと、外で雪でも眺めてくるか、と踵を返そうとした。

その時、

『ぁあぁああっ…』

一際高い鳴声が耳を霞めた。
その、子供とは思えないくらいの艶に、ぎくりとした。

「………くそっ」

それでもその場から離れようとする。

「…フィンクス!」

室内からクロロが声をかけた。

「…入れ」

「!…………くそっ…」

ち、と舌を鳴らし、ふすまを開ける。

ノブナガは幼い体を背後から抱きすくめ、クロロは仰向けのゴンの脚を掴んでいた。
ゴンは胸や下肢を白濁に汚され、焦点の合わぬ濡れた瞳で、浅く息を乱している。
クロロはゴンの体内から己を引き抜く。
小さな後孔からは精が溢れ出た。

その光景から、フィンクスは目を背ける。

「…混ざれ」
クロロが薄く微笑んでそう言うと、フィンクスは眉をひそめる。
「悪いが、俺には子供をいたぶる趣味はねえよ」

「…」
フィンクスを、クロロはその漆黒の瞳で冷ややかに睨む。
その視線に、フィンクスは所在なき微かな恐怖を感じた。

団員として長く付き従ってきたが、この男の能力も、心理も、はかり知れない底深さがある。
その深淵の闇に射竦められ、中ば引き寄せられるように、フィンクスはゴンとクロロの傍らに膝をついた。

 
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