Chase the chance
□Stars to shine again
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「あれ?うららは?」
あくる日のナッツハウス。
のぞみ達はうららを除いて、ナッツハウスの二階に集まっていた。
その中でのぞみはうららの姿が見えない事に気付く。
うららだけではない。
仕事の関係でシロップも不在だった。
「ああ……そういえばうららなら……」
二階にやって来たくるみはうららについて何かを思い出し、のぞみ達に話始めた。
それは数十分前の事。
「あの……ココ、ナッツ…悪いんですけど……少しの間キッチン貸してもらっていいですか?」
うららはナッツハウスにやって来たなり、キッチンを貸してほしいとココとナッツに頼んでいた。
うららの手にはスーパーで買ったのか、何かの料理の材料が入った袋を持っていた。
「夕食までには空けますし……
シロップが帰ってくるまででいいので…お願いします!」
深々と頭を下げてお願いするうららの姿を見て、ココとナッツは嫌でも貸したい気持ちになる。
「ああ僕は構わないよ」
「俺もだ…ただ調味料は余り残っていないがな…」
「いえ!全然構いません!
ありがとうございます!」
それだけ言うとうららはその場から逃げるかの様に、キッチンへと入った。
「……そういう訳で、何だか知らないけど、シロップの為に、さっきからキッチンに閉じこもりっぱなしなのよ」
説明を終えたくるみはテーブルの上に置かれていたお菓子を食べ始めた。
「うららさん…何を作ろうとしているのかしら」
頬杖をつきながら、こまちもうららの行動に疑問を持つ。
「まぁ…それだけ私達には秘密にしてほしい事なのよ。きっと…シロップをあっ……と驚かせるに違いないわ」
こまちとは反対にかれんは冷静に言葉を選んだ。
――が。
「うららが驚かせるのって私達じゃないの?何でシロップ?」
『………』
のぞみはただ1人、話の筋を理解していなかった。