Precious Time
□朝日と夕陽
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メイド刑事、サクラは今だかつてない程のピンチに追い込まれていた。
―――まずい……
―――少なくとも30人はいる……
―――下手に動くと、囲まれる……
サクラの左肩からは血がじわじわと滲み出ている。
出血は大した量ではないが、これ以上血が流れては、上手く動き回れない。
しかも“先程”の戦闘で、武器であるキューティークリーナーを落としてしまった為、頼れるのは、この動く身体と、怪力だけだ。
だが、万一“奴ら”に囲まれてはこちらが圧倒的に不利だ。
それだけはあってはならない。
サクラは“奴ら”から逃れるように物陰に隠れていた。
とにかくサクラは得意の頭をフル回転させて、この状況の突破口を探す。
―――何故サクラがこのような状況になっているのか―――
―――それは数日前に遡る。