Precious Time
□April
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――……この任務を遂行しなければ――
――確実に忍達が絶大に争う大戦が起こってしまう。
――里か……係累か――
――選ぶべき道は1つだけ――
任務を終え、里にうちはイタチが帰ってきたのは、明け方だった。
報告は他の忍に頼み、イタチは事の整理をするため、自宅には帰らず、この並木道の桜の木に腰かけた。
この任務を実行するか否か。
考える時間さえ無いことは明白。
早く決断せねば取り返しのつかない事になる。
しかし。
イタチは未だに決断出来ないでいた。
心に――迷いがある――
―――そんな時だった。
誰かが自分に近づいて来る。
気配を殺してはいるが、イタチは感づいていた。
イタチはホルスターからクナイを取り出し、近づいて来る人物に向けた。