Precious Time

□Notice my mind
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―――距離が縮まらないねぇ…まあ…付き合うって事はまだまだだけど、両想いなのは私から見て一目瞭然なのよね…
サクラに奢って貰った(むしろ奢らせるように仕向けたと言う方が正しいかったりする)アイスクリームをほうばりながらいのは思った。

サクラは知らなくてもいのは知っている。
サスケがサクラに好意を持っている事を。



まずサスケが自分から話しかける女子はサクラ以外にいない。
サクラが困っている所をみた時は助けてやりたいって顔してたし。

なによりサクラが他の男子と話している所を見たサスケ君のあの顔。
どうみたって面白くなさそうな顔してた。
あれはサスケ君自身気付いちゃいないけど、嫉妬よねーあれは。

でもサスケ君は、サクラが好きって気付いてないのよね…サスケ君ってかなり鈍い所あるからなー…




「いの…?」
「あー…ううん。何でもないわ」
「…?」
当のサクラはいのに奢らされた事を恨んでいるのか。気持ちはかなり沈んでいた。
サクラにとっておこづかいが多いわけではない。
それを知っているかのようにいのは一個500円以上はするソフトクリームを頼んだ。
「あー…次のお小遣いまで5日はあるわ…」
「残念ねー…恨むなら自分自身を恨みなさい。」
奢ったとはいっても自分のお金。
少しはくれたっていいのに。
…………もう何を恨めばいいのか解らなくなったサクラであった。

―――ま。頑張りなさいよね。サクラ。

そんなサクラとは反対にいのは心の中で親友の恋の成就を願っていた。


「今度はいのが奢ってよね。」
「はいはい。気が向いたらね〜」


まあ。その想いは今の親友に届く事は無かったが。
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