Chase the chance

□初めての
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「あ…シロップ…ちょっと待って下さ〜い」
「…っておい!何やってんだよ…」

ある日の日曜日。ナッツハウスの買出しも含めて、うららとシロップの2人は市街地に来ていた。

ところが。日曜日という事も幸いし、市街地は思った以上に人が多かった。

どちらかというと少し小柄な2人は人ごみに飲まれ、すぐにはぐれそうになってしまう。

むしろ歩幅の広いシロップの方が1人で先に行ってしまうパターンが多いのであるが。



うららの声で自分がまた彼女と離れてしまっていることがわかり、シロップは人ごみを掻き分けて、うららの元へ急いだ。


「…ったく俺のそばから離れるなって言っただろ?」
「…ごめんなさい…」
「…別に謝れとは言ってないだろ…」
「う、うん…」
うららはぎこちなく返事を返した。

シロップは、またうららが同じことを繰り返すような予感がしていた。
今はまだ自分の目の届く範囲で気づいているからいいようなものの、もし次にも同じような事が起こり、本当にはぐれてしまったら元も子もない。

心の中でため息をつきつつ、どうしたらいいのかシロップは少し考える。
 
(――あ…そうだ。)

けれどその回避方法も、シロップはあっさりと思いついた。
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