Chase the chance
□そのままで
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――痩せようと決めたのはリーナに言われた事もある。
――たった1人の家族であるお兄様に嫌われるのは嫌だったから―
――でも……
――本当に……それだけの理由だったのかな……
神話獣の一件で1週間、食べ物が無くなった事態から数日。
ミクロサイズの神話獣を(途中アクエリオンが喰われる……という非常事態もあったが)撃退したという理由もあり、
ようやくエレメントや、一般人にも食料が運びこまれ、食料が無い事態は終わりを告げた。
ディーバの食堂でシルヴィア、麗花、つぐみの三人は待ちこがれた食事に目を輝かせていた。
「全く…!食べ物を私達から奪うなんてとんでもない神話獣だったわ」
「……途中神話獣にアクエリオンを喰われた時はどうなるかと思ったわ」
「でもお陰でようやく食事にありつけますし……」
「……とにかく!!今はこの空腹を満たす為にも食べましょ!!」
シルヴィアはフォークを取り、目の前にある豪華な食事にありついた。
「はぁ〜〜
幸せぇ〜〜〜」
久々な食事に大満足していたシルヴィアだったが――
つぐみの一言で食べ物を掴んでいたフォークが止まる。
「シルヴィアさん…いいんですか?
そんなに食べたら…」
「うぐっ………」
その台詞を聞いた途端、シルヴィアの顔が青ざめていくのが分かった。