◆gift◆

□Andante Lovestory
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「なぁ、俺の事好きだから付き合う事にしたんだよな、お前?」
「そ‥‥れは、‥‥だけど、でも」

相変わらず明言を避ける雨竜の顔はしかし赤味がさしていて、嘘の吐けない彼の心の在処はその様子から明白だ。
一護はそっと苦笑して、逃げ場を奪う言葉を告げる。

「お前が嫌じゃねえんなら、させろよ、普通じゃしねえ事。好きでなきゃ男とすんのなんか嫌に決まってんだから、それで計れ、俺の気持ち」
「‥‥何だか、丸め込まれてるような気がするんだけど‥‥」
「いーから、こっち向け石田」
 
不満げにごちて顔を逸らそうとする雨竜の顎を片手で捉え、しっかりと前を向けさせる。ちゃちな言い逃れに貸す耳はもう無い。
一護は眉間の皺を深くして、迷うように揺れる瞳を睨み据えた。

「もう拒否んなよ。今度ヘコましたら、ぜってー泣かす」

いつかの時に聞いた台詞に雨竜は軽く目を瞠り、次いでふと柔らかく笑った。

ああ、好きな顔だな。

そう思い、じんと胸が熱くなるままゆっくりと寄せた顔は、今度こそ押し退けられる事は無く。
触れる直前に伏せられた瞼に一護は漸く安堵して、柔らかく唇を重ねた。


やっと交わされた、初めての口付け。


緊張に震える唇に触れるだけのキスは、甘やかさには程遠い稚拙なものだったけれど。
これからずっと何度でも、たくさん重ねていけばいい。
雨竜が一護の想いを信じきるまで、毎日でも何回でも、いつまでも。

焦らないようにゆっくりと、キスをしながら進んでいこう。



「‥‥‥‥」
「‥‥顔、真っ赤だよ、君‥‥」
「うるせぇな、お前だってだよ‥‥。あーくそカッコわりぃ、やっぱさっきのヤツ最初のキスにしたかったぜ‥‥。根に持つからな、このやろう」
「わ、悪かったよ‥‥」
「悪いと思ってるか?ホントに?」
「思ってるよ!あれはつい驚いて手が‥‥」
「――じゃあさ、悪いと思うなら、お詫びって事でさ‥‥」

決まり悪そうな表情の顔を両手で包み、やっぱりお前が好きだと思って一護は心から笑った。


――今度はお前から、キスを頂戴?――






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初キリリクに力入りすぎて空回りましたorz
『一雨初チューvv』という可愛らしいリクに、思いっきり初々しいのを書こう!と狙ったのですが、どうも私は可愛い=馬鹿、と履き違えてるみたいです‥‥雨竜が頭悪くてスミマセン‥‥!!
アンダンテどころか牛歩なこの二人の行く末は前途多難だな。

拙いながら七生様に捧げます。素敵なリクを本当にありがとうございました!
 
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