銀魂

□桜色の廊下
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「危ねぃ…」




聞き覚えのある声。
私はそっと目を開けて後ろを確かめる。



そこいたのは総悟で……。
…私は階段の中腹辺りで、総悟に後ろから抱き抱えられていた。




―っ!?




「チャイナぁ、ノート運びかぃ?」




総悟はこの状況を大して気にもせず、平然と話し続ける。




吐息がかかる。
綺麗な栗色の髪が頬に触れる。


…頭がぐるぐるした。




「…お前には関係ないアル、助けてくれたのは礼を言うネ。」




…何でこんな事しか言えないんだろ。

何で素直に『ありがとう』って言えないかなぁ…私は。




「…ばーか」



総悟が私の頭を小突く。



「何して…」



「持ってやるよ」




言うより早く私の手からノートを取り、軽々と階段を昇っていった。



…チクショー、私あんなに苦労して昇ったのに…

やっぱ男は違うネ…




「チャイナぁ」



総悟が突然ふり返り、階段の中腹で突っ立ったままの私に声をかけた。



「な…」



答えようとして、止まる。

返事をしようと見上げた時、総悟の肩越しにある窓から、桜が満開を迎えているのが分かって。


…綺麗。


栗色と桜色の見事な調和に見とれて、返事をするのが遅れた。




「…何アル?」





「…無理すんな」




素っ気なくそう言って、また階段を昇り出した。


…総悟は狡い。

私がどんなに憎まれ口を 叩いても、そうやって優しい言葉をくれる。



思わせぶりな態度ばかりして。


私を夢中にさせて。




「狡いヨ…」





開け放たれた窓から、桜の花びらが吹き込む。



沢山の桃色が、私の赤い頬を隠した。






―――――――――――
少女漫画?

神楽視点になるとやっぱ少女漫画になった。 笑"



春は好きです。
花見したい。
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