ひぐらしのなく頃に
□ぽけっと
1ページ/2ページ
「あ゙ー寒い!」
「今日ってこの冬一番の冷え込みなんだよね。」
「そーゆこと言うなよ悟史…!余計寒くなる…」
と、圭一は恨めしげな目で僕を見た。
ぽけっと
1月に入って、見渡す限り一面の銀世界となった雛見沢村。
夏の間はあんなにも青々としていた木々も茶色い枝を晒し、視覚的にも非常に寒々しい風景を作りだしている。
そんな中を、僕達は家へと急いでいた。
…あれ?
何気なく隣を歩く圭一に目を落とすと、ある事に気付いた。
圭一は厚手のダッフルコートにマフラーをしているくせに、手だけは何も着けていなくて赤くなっている。
「…圭一、手袋忘れたの?」
「あぁ…今日、家出るとき急いでたからさ…」
と言いつつ、自分の息で手を暖めようとする仕種が可愛らしくて、思わず頭を撫でてしまった。
.