ひぐらしのなく頃に
□花占い
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ある日の昼下がり。
バカでかい本家の、バカでかい庭に面する縁側に座っているお姉を見かけた。
手に何かを持って、ぶつぶつと呟いている。
…花?
花占い
「…好き、嫌い、好き……」
どうやらお姉は花占いをしているようだった。
…誰に関してかって?
勿論、圭ちゃんに関して、に決まってるじゃないですか…
「おー…」
占いに打ち込むその背中に声をかけようとした、んだけど。
目の前の光景に気を取られて、言葉を続けられなかった。
…お姉の周囲には、手に握られているのと同じ、半分くらい花弁のないコスモスが散乱していた。
二、三本なんてもんじゃない。数十本はある…
何やってんですか、お姉…?
「嫌い、好き、きら……ってうわあぁあ!?し、詩音!?」
「うわあぁあじゃなくて…
お姉…何ですかこの花々は、、、?」
私が無残に横たわる花を見ると、その視線に気付いてお姉は慌ててそれらを隠す。
…が。あまり意味がないことを悟ったのか、言い訳っぽく喋り始めた。
まぁお姉が言ってたことを要約すると…。
結果が怖くて花占いが最後まで出来ない。らしい。
ちぎっては止め、止めては新しい花をちぎり…と繰り返していたら、この異様な光景が完成した、と。
つまりはそういうわけだ。
…なんとまぁ。
我が姉ながら情けない。
普段は男勝りな性格してるくせに、圭ちゃんが絡むと途端に弱くなりますよね、お姉って…
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