銀魂

□ShortStorys
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仲間の為、とか叫んで。

その為なら何も厭わなくて。

命さえも投げ出してしまえる。



君にとっての真選組が家族なら、俺は……何?











真選組の内乱から数日、偶然街であった大串くんは、柄にもなく礼を言った。


何か色々と世話になったな…、と。

…珍しいことだ。


……普段ならそんな大串くんをからかうけどさ。
…今はそんな気になれない。


「別に…俺ぁ依頼を遂行したまでだ。
たいしたことないし」


俺の態度を、大串くんは敏感に感じ取ったらしい。


「……何。拗ねてんの?」


「拗ねてないですー
……ギャラくれないなら帰るよ、じゃーね」


「待っ…」



と、大串くんは俺の手を掴んだ。
……振り切ろうとした、けど。


大串くんはいつも体鍛えてて…
俺はいつも甘い物食べてゴロゴロしてて…

そういう生活習慣の違いで、明確な力の差ってのが出ちゃうんですね、コレが。


次の瞬間、俺は簡単に大串くんの腕の中に収められていた。


「俺、何かしたわけ…」


…そんな不安そうな声で呟くなっちゅーの。

一人で拗ねてる俺が馬鹿みたいじゃんか。


「……妬いてんだよ。」


「は?」


「なんか今回の件で、てめーが真選組を大切に思ってるっつーのを嫌って程知っちまったから…」


「…俺は、お前ものことも大切に思ってるけど。」


よくもまぁ。そんな歯の浮く言葉をさらりと言うね…


「真選組も大切だけど…あーなんつーか、それとは違うっつーか……
何て言うんだこーゆーの?」


いや知らねーよ。





…何かもういいや。

コイツの真っすぐな瞳見てたら、靄みたいな汚い感情が晴れていく。

くよくよしてる自分が情けねぇ。

でも、一つだけ聞かせろ。


「……例えば、さ。
ヘタレて腑抜けた状態でも、俺のこと守ってくれる?」


「…?
あぁ、守る。絶対。」


信じるよ、その言葉。






―――――――――――
真選組動乱編はコミックになるまで待てず、ジャンプずっと買ってたなぁ…

あの話は大好きです。


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