銀魂

□天体観測
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『天体観測しよ、大串くん』

『…誰が行くか、んなモン』

『わー本当に?じゃ、7時くらいに頓所の前で待ってるよ、じゃーね』

『おーい聞いてた?俺の話』



――いつも何かをしようと誘うのは、あいつの方からだった。








天体観測










「はぁ…」


――と、意識するでもなく溜息が出る。
室内を見回せば、今日付けの活動報告や資料が散乱していて、酷い有様。

人間が3日間、同じ部屋に篭るとここまで汚れるのか、と今度は感嘆の溜息すら漏れそうな程荒れ果てていた。


本来の自分なら耐え切れず、すぐ片付けるところだが……
疲れてそんな気になれなかった。


なるべく見ないようにして、仕事終わりの一服をしようとライターに手をかける。

ついでに、時計が視界に入った。



…10時半。



「待ってる訳ねーよな…」


呟いた言葉を慌てて取り消す。

そもそも約束した覚えはない。
行ってやる理由もない。


一方的に向こうが誘って来た訳だから、約束破った、とかそーいうんじゃなくて別に俺が罪悪感を感じる必要はないと思います…アレ?作文?

これはあれだ、昨日徹夜だったから混乱してんだ、俺。



「ッチ……煙草ねーし…」



仰向けに転がると、天井が煙草の煙で霞んで見えた。
山盛の吸い殻の隣には、煙草の空箱が数個転がっている。

一体全体、俺はこの数日間で何本吸ったんだろ…


換気と、寝ぼけた頭を冷ますために障子を開ける。

途端、独特の香りを持った夜風が前髪を撫でた。
満月が眼前に広がる狭い庭を照らし出す。

良い夜だった。



「…!?」



庭を眺めていると、視界の端で『何か』がうごめいたのが分かった。
何だ……?人影…?


…その正体を確認しようと、俺は部屋の障子から身を乗り出した。


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