小説
□遊
1ページ/2ページ
時として
僕にも予測できない事がおきる。
例えば今
僕の目の前にいるこの男。
「怖い顔ですね、半兵衛」
「明智…光秀」
「遊びに来ました」
「…」
明智光秀。
よくわからない男だ。
まず人間なのだろうか。
「お土産を持ってきましたよ、甘いものは好きですか?」
「…何を考えているんだい」
「考え、とは?」
やはりつかめない。しばらく様子をみたほうがいいか。
「秀吉とは仲がいいそうで」
「なっ…!」
「おや、あなたでもそんな顔するんですね」
「っ…」
この男とは、正面からむかいたくない。
「竹中半兵衛」
!
明智君とは違う声。
「…毛利君」
「ん?誰かいそうだな」
「明智、光秀」
「…帰る」
帰してなるものか。よかった、犠牲が増えた。
「はなせ!」
「せっかくきたんだからどーぞ」
戦の時には頭を使っている者同士とは思えない、とても幼稚なあらそい。
「元就もいらしたんですか?」
「「!」」
さぁ…………っと血の気が引く。
でもこれで、毛利君は逃げられない。
「甘いものでもたべませんか?」
「我は…」
「んー?」
「…もらう」
座敷に
妙な笑顔で座る明智君と
なんともいえない顔で座る僕と毛利君。
本当に明智君は何をしにここへ…?
「2人はよく遊ぶんですか?」
「え、あ、戦略についていろいろと」
「…貴様は何でここにいる」
「遊びにきたんです」
…
本当に?
「はぁ…なら、やるか?」
「何を?」
「なんでしょう?」
毛利君がとりだしたのは?