小説

□背
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俺の背を護るのはお前。
お前の背は…?
そう言ったら
ただ笑顔だけがかえってきた。
 
 
 
「痒いところはありませんか?」
「ねーよ。」
俺の体から頭まで小十郎はあらってくれる。
小さい頃からそうだったから。
「日を追うごとにたくましくなられてますね。」
「そーか?」
「こうして洗っていると、とてもよくわかります。」背中の大きさを確かめるように、丁寧にあらわれる。
 
「小十郎、かわれ。」
「はい?」
思ってもなかったのか、小十郎の手がとまる。
だってよ、俺も見てみたくなった。お前の背。
「ほら、座れよ。」
困ったように笑いながら、俺の言う通りにする。
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