□手と手 腕と腕
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勢いで書いたので、あしからず…

***


手と手

腕と腕


*ヤマトマ*


***


彼の手は日にかざすと血管まで透けて見えて、ドコか次元の違う世界の住人じゃないのかと思わせる。

つられて手を伸ばして、その手に掌どうしを合わせた。指先が冷たく感じた。

「どうした?」

「ううん…なんとなく。」

「そうっ!」

斗真は眦を下げて太陽みたいに大きな口で笑った。




雪さえ降ってきそうな寒空に桜にの花弁の幻想が目の前を過ぎる。




不意を着いて、斗真がスキップしてチョッと先に坂道を上がったのに追いつこうと、僕は少しムキになって駆け上がってその隣に追いついた。

歩きながら横顔を見ると目が合って少し目を見開いて驚いた顔をした。

目を細めて坂道の上、二人で目指していた神社の方角を指差して言う。

「賽銭箱の前まで競争だ!!」

「え?」

その間抜けにも思える僕の声に返答は無く、斗真は猛スピードで走り出していた。


***


結果は僕が先に辿り着いた。

息を切らしながら階段を上って来た斗真は『あ〜れ〜?』と納得のいかない声をあげた。

「けっこう、フーっ!自信あったのになぁ〜っ」

「ふははははっ」

「山下ぁ、余裕だな…」

恨めしそうに柱に寄り掛かっていた僕を横目に見てから、賽銭箱の脇の縁側の様な場所に座って倒れた。

本当に疲れている。

隣に移動して顔を覗くと『きゃっ』と低い声で言うのでオカマっぽくて笑ってしまった。

両手で顔を覆い、その指の隙間からコチラを見ている瞳は微笑んでいる。

・・・。

そのまま斗真に覆い被さって

自然に

できるだけに自然に手を外し

キスをした


***


「コンなトコロでイチャイチャしたら神様に怒られるよ。」

「うん。そうだね。」

手を貸して起こすと斗真は、まだ疲れていたのか足元がふらついて僕に抱きつくカタチになった。

細い 背中と腰を支えつつ抱しめる。ペッタンコだ。

僕の肩に手を回していた斗真がナゼだか『うわぁ〜っ!』と声を上げて二の腕を摘んだ。

「なに?」

「硬い!ほんとーにイイ筋肉してんな!」

「ふふふっ…」

自分の顔がニヤけているのが分かる。斗真に言われると、やっぱ嬉しいvv


***
つづく
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