お題
□日常よ、さよなら
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俺は今日で、並盛を去る。
明日から俺はイタリアンマフィア、ボンゴレボスの十代目として生きていく。
…十年前の俺だったら絶対認めなかっただろうな。
そう思ったら、何だか笑えてきた。
「何を笑ってるの?」
「いや、少し昔を思い出したら笑えてね」
「ああ。…そうね」
そういって笑う君も、昔と変わって…綺麗になった。
いや、その笑顔は昔と変わらずに俺を支えてくれている。
「…ありがとう」
「ん?何か言った?」
「いいや、何も言ってないよ」
「そう?…あ、皆待ってるよ!早く行こ!!」
そう言って、笑いながら走っていく彼女の後ろ姿を見て、例えこの先何があろうともあの笑顔だけは守り続けよう、そう誓った、最後の日常。
日常よ、さよなら
(これからは血濡れと裏切りの日々)