ノベル

□恋文
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――あなたが好きです 森の湖のほとりで待ってます――



【恋文】


乱菊は呆れた顔で副官室の机の上においてあった手紙を眺めた。


「・・・ま、予想はつくけどね。」



そう呟くと、その手紙を置いて、スッ・・・と扉をあけ、出て行った。



―――



「らぁーんぎぃーくちゃん!来てくれたんやぁーv」


やっぱり。



「ギン・・・なんであんな手紙書いたのよ。」



ため息混じりに言う。



「別にぃー??ちょっとからかってみただけや。」



不敵な笑み。



乱菊の心が少し 痛む。



「嘘。ホントはこうしてゆっくり喋りたかったからや。」



「普通に言ってくれればいいのに。」



「だって乱菊、最近忙しそうやん。僕、相手にしてくれへん思おて。」



悲しそうな笑み。




「呆れた・・・あんたが仕事してないだけでしょ。」



「で・・・本題やけど、返事まだなん?」



優しい笑み。



風が 吹く。



「え・・・?アレ本気だったの!!?」



心底吃驚している。



まさか 本当の告白だなんて。




「返事は?イエスかノーでお願いしますぅ。」



照れ気味ではにかむギン。



「・・・イ・・・イ・・エス・・・///」






ちゅっ





答えた瞬間に 不意を突かれた。




「本間にイエス言うたわぁこの子!!」


自分の行動で真っ赤な顔を隠すようにして笑うギン。



「ギン・・・顔真っ赤・・・!」


乱菊もつられて笑う。




――そして今度は

    永い 永いキス――
 

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