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□ほんとはね?
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部活も終わり、ロッカールームで着替えてると後輩の子達が数人で彼氏について話をしてるのが聞こえた。
「やっぱ彼氏にするなら年上でしょ」
「だよねー包容力が違うもん」
「でも年下って可愛いくない?いつも好きって言ってくれてさぁー」
「やだ惚気〜?」
きゃあきゃあと盛り上がっている話を聞きながら乙姫は首を傾げた。
知らない内に自然に“彼”と後輩の話を重ねていたのだろう。
ふと思う。
告白は自分から。
その時の返事は言葉の代わりにぎゅって抱きしめてくれた。
(あれ?)
部活の時間がどうしても合わない時以外は一緒に帰るし、その時は手を繋いでたわいのない話をして。
別れ際には勢いで抱きしめられる時もある。
でも…
(あれあれー?)
例え言われなくっても気にならなかったし(周りの友達が羨ましいと言ってくれてたわ)
キスもした。
でも、
(私、水町君にまだ『好き』と言われてないわ)
改めて考えるとこれって…
(不安になる、かも)
パタン、とロッカーをしめて乙姫は決意する。
(ちゃんと…聞いてみよう)
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