幻蝶の織り機

□●特別の特別
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 『特別』だ、と思った。

 自然に、何の疑いも迷いもなく。

 彼を『特別』なんだ、と。

 それが何を意味しているのか、気付きもしないで…。




「なぁなぁ相棒、今日お前んとこに遊びに行って良い?」

「あぁ、構わないよ」

 突然のお願いに即で了承をもらえて、俺は喜びを隠さずに鏡夜の肩に思い切り抱きつく。そのまま「よっしゃ、行くぞー!」なんて、ガキみたいに叫んでハシャいだ。
 鏡夜はそんな俺を見ても嫌な顔をしないどころか、楽しげにクスクスと柔らかに笑って付き合ってくれる。

 その顔を見て、思う事は一つ。


 あぁ、心地良いな。


 時は寒さが体にしみる1月。

 なのにコイツの側にいるだけで、こんなにも暖かい。

 今日も、鏡夜レイという男は俺の『特別』だった。





 〜 特別の特別 〜


 
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