「好きなんだけど」
□鑑賞用に保存用
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≪バサッ≫
「…なんだこれ」
「貰った。」
忍がカバンをひっくり返して見せてきたのは、若者が好みそうな男物のファッション雑誌。
「ほぉ〜…。今時の子は、こういうのを見てるのか。」
「そうみたい」
………。
ペラペラとページを捲る音が響く。
「…で?」
「何」
「一体どうしたら、こんな大量に貰うんだ?」
「街歩いてたら、カメラとかデカい鏡持った人が近寄ってきて、写真撮られて、アンケート書かされて、気付いたら貰ってた。」
「アンケート…?お…おいおい…大丈夫かお前、今流行りの詐欺じゃないか?」
「大丈夫じゃねーの、周りに俺が知ってるモデルも居たし。名刺貰ったし。」
「…名刺?」
忍が差し出してきた名刺を見て一瞬俺は固まった。
「こ…これは…」
オッサンの俺でも知ってるモデルの名前だった。
どうやら、新手の詐欺では無いみたいだ。
「俺、その雑誌の来月号かなんかに、載るらしい。」
「はい!!?」
な、何故忍チンが…?
「なんかの特集だって言ってたけど。」
「そ…そうか。」
――――……
それから、
1ヶ月が経った。
「教授?なんですかそれ。」
「お、お〜上條。」
資料室で、忍チンが出る雑誌とやらを見ていたら、上條に見られてしまった。
「ち…ちょっとな…。しの…そう!知り合い!知り合いが出てるらしくてな、さっき買ってきた。」
「知り合いが出てるだけで、こんなに沢山買ったんですか?」
「うっ…;」
か、上條の奴…
珍しく痛い所付いてきやがって…。
「ははーん、さては…あの子ですね?俺にも少し見せて下さいよ、どこのページに載っているんですか?」
「す…少しだけだぞ。」
俺は渋々、
上條に見せた。
「イケメン…特集?」
……。
忍チンは、
美形だからな。
気に入らないが、学校でもモテまくってるみたいだし。
周りが騒いでるんだ、イケメンだかなんだか知らんが、特集されたって、おかしくない。
「学部長の息子さん、本当美形すよね。なのに何で教授なんかに捕まっちゃったんですかねー」
「つ…捕まったとはなんだ!捕まったのは俺の方だっつーのっ!」
「へ〜教授がねぇ。」
コイツ…
信じて無いな。
「それより、ちょっとこの量は…多過ぎませんか?;」
「か…観賞用に、保存用だッ!」
「にしても、30冊は流石に…多いですよ教授;」
「………;」
ああ…
どう言い訳しましょうか。
【END】
〜あとがき〜
NOー。゜(´□`。)°。
何故いつもこうなるのでしょう(;;´д`)
甘々目指して頑張っているのですが…上手くいきません(汗)
もしかしたら無理矢理にでもこの続編を作って、そちらを甘々目指して頑張ります!!(苦笑)
ご覧下さり、ありがとうございました!
【2008.10.15.】
黒ごま
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