「好きなんだけど」

□ご機嫌斜め
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「…忍」


「え?」

家の鍵を開けようと鍵を探していたら、後ろからいつもより低い声で、宮城に名前を呼ばれた。


「宮城?」

「………」

なんか…
怒ってる?

「な…なんだよ」

「今日、時間があったから大学までお前をわざわざ迎えに行った。」

「へーそう。…って、会ってねーじゃん。何処に居た?見てないんだけど。」

「お前が楽しそ〜に友達と帰ってる所を見たから、引き返した。」

「……あ」

…だから怒ってたのか?

「み…宮城…?」

「…………」

学生だったらフツー誰でも友達と帰る…だろ?

その位で怒らなくったって…

「友達と帰るのは別に良い…だがな…俺の前じゃ、あんな顔しないだろ。」

……?

「あんな顔?」

「ニコニコニコニコ…笑顔の大安売りしやがって…」

「わ、笑っちゃいけねーのかよ」

「……知らん」

な…なんなんだよ…

「すまん。ちょっとそれ見て、腹が立っただけだ、忘れてくれ。」

まだ話は決着してないのに、俺に背を向けて隣の自分の家に入ろうとしやがった。
「ちょ!ちょっと!待ってよ!!」

「……なんだ」

止まってくれたけど、冷たい目で俺を見下ろしてきた。


「そ…それってさ?」

「………」


「妬いてた…って事?」

「…………」

宮城は黙ったままだったけど、俺はそのまま、じっと見つめた。

「その…ごめん…」

気づかなかった。

俺だって、オッサンが他の奴なんかに笑顔向けてたりしたら、当然嫌だし。

本当にごめん。

宮城はこれが
嫌だったんだろ?

そうなんだろ?


「宮城っ…」


俺はぎゅっと、宮城に抱きついた。

「大好きだから…大好きだから宮城っ…」

泣きたくなんかないのに、俺は泣いた。

涙は止まることなくどんどん溢れ出す。


離れたくない。

離れたくない…。



「……………」

「頼む…から…嫌い…に…なら…っ…ない…で…っうっ」

「んなの、なる訳ねーだろ。泣くなバカ」


許してくれたのか、目尻に溜まる涙を手で拭ってくれた。

それから、優しく頭を撫でてくれた。

「ぅっ…みや…ぎぃっ…///」

《ガバッ》

宮城が何処にも行かない様に、抱きついた。

「…ま、オジサンはこれで我慢しますか。」

「…?…何の事だよぉ…」


安心した気持ちと、
恥ずかしい気持ち。

だから顔真っ赤。

さっき泣いてたから涙目で…。(しかも宮城から見れば上目遣い…)

グチャグチャな顔。

そんな恥ずかしい顔になっている事に、当然俺は気づかなかった。


END

〜あとがき〜

原作の宮城の嫉妬が大好きで大好きなのて、その台詞をもう一度宮城に直接忍チンに言ってもらいました。

忍チンが可愛すぎてもう(ノ∀`*)

最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!

これからも頑張ります!

早く【2】が見たいですね!!

【2008.09.24】
     黒ごま

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