「好きなんだけど」

□宮城の音
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もうすぐ聞こえる。

俺の大好きな
宮城の音。


《コツコツ…》


ほら、この音。


《ガチャガチャ》


宮城が、
帰ってきた。


だめだ…
もう我慢出来ない


当たり前か…

3時間も玄関にへばり付いてたんだし。


だからもう、
我慢の限界。


「宮城!!!」


《バタン!》

俺は勢い良くドアを開けて、声を掛けた。

「おかえり!」

「し、忍!?」

オッサンはギョッととした顔で驚いて、そのまま固まった。

「な、なんだよその反応…」

俺はこんなにオッサンと会いたかったのに。


オッサンは…

宮城は…


「俺と…会いたくなかったとか?」

「そ、そんな訳あるか。どうしてお前はいつもそう悪い方に考えるんだ。」

「だ…だって」


仕方ないじゃん…

最近ずっと会ってなくて…

久しぶりに帰って来るって言うから、ずっと待ってたのに…

話し掛けたら瞬時に固まるオッサンが悪い。

「はぁ…突然の忍チンのご登場に、ただ驚いただけです。まさかこんな時間まで起きてるとは思わなかったし、正直………ったし。」

…え?

今何て言った?


俺の聞き間違い?

嬉しいって…
聞こえたけど。


「宮城…今「ほ…ほ…ほら入れ!茶でも煎れてやるから!」

聞き返そうとした俺の声は無視され、宮城がそう言ってきた。

なんか慌ててる?

そんなオッサンは、俺の背中に優しく手をやって、部屋に入れてくれた。

「なあ宮城、今嬉しいって言った?俺の聞き間違い?」

「な、ななな…何の事かな忍チン」


やっぱ慌ててる。
も、もしかして…

「何、オッサンのくせに照れたとか」

「か、勘違いするな。これだからガキは「照れたんだろ!!?俺が起きてて嬉しかったんだろ!?はっきりしろ宮城!!」

宮城の気持ちが知りたいんだ…

だから言えよ、
聞こえる様に。

「あーもうっ!!黙れクソガキ////俺もここ最近お前にだなぁ……あー!もう、兎に角、抑えが効かなくなるだろーが!」

「…え?」

今度は、
俺が固まった。

「何日も会ってなかったんだ。嬉しいに決まってんだろ?」

《ドサッ》

気付いたら、ソファーの上に押し倒されてた。

「み…宮城…」

「忍」

3時間玄関で待った甲斐があった。

こういう事が出来るから、【宮城の音】を聞くと、たまらなくなる。


「んっ…」


宮城…

おかえり。


《END》

〜あとがき〜

上手く表現が出来ませんでした…(;;´д`)

相変わらず訳分からないですよね(土下座)

申し訳ありません!

が…頑張りますので、今後もよろしくお願いします!


[2008.09.21]
     黒ごま


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