貴女に捧げる夜
□第五章・不安
2ページ/24ページ
僕が最初に仕事を教えたせいか、彼女はよく懐いてくる。
外見的な魅力は感じないけれど、
素直で可愛い妹という感じだったのが
バイトが終わったあと、皆で一緒に遊びに行き
休みの日は時々二人で買い物に出かけたり…
いつしか“一番身近にいる女の子”に変化して
出会って半年後の高3の春、
映画に行った帰りに彼女に告白された。
『松永さんは私のこと、どう思ってますか?』
真剣に聞かれて少し迷っていると
『私は松永さんが好き』
と、これまた真っ直ぐな告白。
『あ…じゃ…付き合う?』
あやふやな僕の言葉に、飛び上がらんばかりの勢いで喜び、
そ〜っと隣に並ぶと腕を組んできて
『ずっとこうしたかったんです』
と笑った。