貴女に捧げる夜

□第二章・初体験
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彼女の整った綺麗な顔立ちが、至近距離まで近づき



自然に目を閉じ…
二人の唇が重なった。



直ぐに唇を離した屋上でのキスとは違い、彼女の舌が僕の唇を割って侵入してく
る。



コーラが少し残っていて、口の中で軽く炭酸の弾ける感触がした。



彼女は冷たくて甘い舌を、器用に絡めてくる。
まるで違う生き物のようで、



上手く舌を動かせない僕も必死でそれに応えようと
ぎこちなく舌をくねらせた。



『リョータ、キスも初めて?』



僕から離れた、薄くて形の整った唇の両端がキュッと上がる。



僕の好きな悪戯っぽい笑顔。



黙って頷くと、彼女は
“そうなんだ。私が教えてあげるね”
と、嬉しそうな声をあげた。



彼女は自ら服を脱ぎはじめる。



と言っても、
真夏なのでもとからキャミソールという、下着のような服一枚しか着ていなかっ
たのだけど。



淡いピンクの下着姿になった彼女は、



『可愛い?リョータのために買ったんだよ?』



と、立ち上がって僕の前でくるりと回ってみせた。



昔から水泳を習っていたという彼女の身体は細いけれどしなやかで、
ピンクの下着は白い肌によく似合っている。



『うん。可愛い』



短く答えると少し不服そうに、



反応が薄いよ。



と唇を尖らせた。
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