貴女に捧げる夜

□第一章・僕という人間
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僕は、ある北国の小さな街に生まれた。



父はサラリーマン。
母は専業主婦。
2つ年下の弟。
という、ごく平凡な4人家族。



少し内向的だったものの、
それなりに友人もいたし、
中学3年になる頃には、彼女も出来た。



お互い、付き合うのなんて初めてで、手を繋いで歩く事しか出来ない奥手な僕と
、恥ずかしそうに、少し後ろを歩く彼女。



卒業式に彼女の友達に呼び出され、校舎の裏に行くと、彼女が俯いて立っていた






『卒業おめでとう』



お互い言い合って、笑ってみる。



ふと、いつもと違う雰囲気を感じ彼女を見ると
思いっきり目が合って…



いつも、視線が合うとすぐに逸らす恥ずかしがり屋な彼女が
真っ直ぐに僕を見つめていた。



急に照れてしまい、僕の方から視線を逸らそうとしたのだけど、
僕を見つめる視線が、あまりに真っ直ぐで真剣で…



僕らが見つめ合って、どれくらいの時間が過ぎたんだろう。
実際には1分もたってないのかも知れない。



けれど、この時の僕には
まるで時間が止まっているかのように感じた。
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