ぬくもり

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あたしは念のために1週間入院しているように言われた。

その間に今のあたしの状態を出来るだけ把握しておく必要があるって白衣の人……担当医さんは言っていた。


目が覚めた次の日、慧璃は厚くて大きな本を持って病院に来てくれた。


「それ、なに?」

「卒業アルバムだよ。精良はこれで今までの友達の顔と名前を覚えてもらわなきゃいけないから」

「トモダチ?」

「覚えてる?」


あたしは顔を横に振った。


言葉は覚えてる。

物は……半分くらい覚えてる。

人物は……たぶん誰も覚えていない。


「これは中学が一緒だったみんなの顔があるから」


そう言うと、慧璃はページをめくり始めた。
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