堕落詩
□「肉と過去」
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色鮮やかに並ぶ
切り売りされた
肉と臓器
命を食し
生きる俺たちは
何のためにこの命を使えばいいのだろう
詰め込まれた知識
明日の為の娯楽
存在証明の唄をうたい
生きてゆく俺の命
奪いとったあいつの幸せは
こんなことの為だったのか?
疑問符が背中に張り付く
いつかは誰かを救えるように
大それた幼き日の願い
今の俺は
昔の俺に誇れるような大人じゃなく
あの大嫌いだった
都合のいい生き方が染み付いちまった
醜い塊になってしまった
食い物にされた夢
色鮮やかに並べられた
俺の肉と臓器
現実に食われていく日常
過去に食われていく記憶
もう
もうあの日の俺は
全て食われてしまった
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